東京都根岸 かまじいの家

2011年3月、震災後の混乱の中、台東区根岸にオープンした築百年のシェアハウス。

元々は明治時代から三代続いたかまぼこ屋だったそうです。
住人達はその堂々と枯れたいでたちを愛し、かまぼこ屋の爺様=「かまじい」と呼んでいます。

東京と一口に言っても、西と東では随分表情がちがいます。
それまでよく知っていた渋谷や世田谷とはちがって、鶯谷の駅を降りると何だか少しきな臭い雰囲気。

圧巻のラブホテルストリートと町中に点在する神社仏閣、狭い土地にひしめき合って林立する細長いマンションに埋もれるような形でその居を構える百年屋。

一目見て不気味だと分かる小道を行けば小さな祠と鳥居があり、町のあちこちにある袋小路の行き止まりによってこの町が無計画に作られて来た事が分かります。
どこかに「毒」を含んでいるように思える町と、その町に住む人情深い生粋の江戸っ子達。
住めば住む程、魅力を増していく根岸の町で、根を張る毎日。

住み始めた当初は、思ったより何倍も、寒くて、暗くて、怖く、すきま風が通り抜け、カーテンは夜な夜な揺れていました。
でも今では、家の表情は少しずつ和らぎ、明るい光が灯り、日々人々が訪れ、新しい記憶が生まれて来ています。

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